この記事を書いた人
木村 涼コーチム編集長/NSCA-CPT取得
30代女性。大手の4つのジムで挫折 → 自己流で3ヶ月10kg減(57→47kg) → パーソナル指導でさらに5kg減。挫折と減量の全記録はこちら。特定のジムと金銭的な利害関係を持たない立場から、紹介料の有無で評価を歪めずに書いています。
【PR】本記事はアフィリエイト広告を含みます。
ジム経営は儲かるのか。開業資金をいくら用意して、何年で元が取れるのか。
この記事では、初期費用のまったく違う2つのジムについて、月の売上・利益・回収期間を実際に計算しました。先に結論を書きます。
| 初期投資 | 月の利益 | 元が取れるまで | |
|---|---|---|---|
| パーソナルジム | 約500万円 | 約26万円 | 約1年半 |
| チョコザップ | 約2,800万円 | 約59万円 | 約4年 |
チョコザップの数値は本部が公表しているシミュレーション、パーソナルジムはコーチムによる試算(前提は本文に記載)
投資額は5倍以上違いますが、元が取れるまでの期間は2.5倍しか違いません。数字だけ見れば、少ない金額で早く回収できるパーソナルジムのほうが有利に見えます。
ところが、この1年半という数字には条件があります。そして、その条件を外すと、話がまったく変わります。
以下、計算の中身を順に見ていきます。
この記事でわかること
- パーソナルジム経営の、月の売上と利益
- チョコザップ経営の、月の売上と利益
- ジム経営の初期費用が5倍違うのに、回収期間は2.5倍しか違わない理由
- 「早く回収できる」「儲かる」という数字の裏にあるもの
- ジム経営で儲からなくなる条件(稼働率・単価の分岐点)
なお、この記事で扱うのはフランチャイズに加盟してジムを開業する場合です。自分のブランドで開業する場合は、加盟金もロイヤリティも発生しない代わりに、集客をすべて自前でやることになるため、前提が変わります。
パーソナルジム経営の損益を計算する|開業資金500万円の場合
まず、売上の天井を出す
パーソナルジム経営の売上は、シンプルな掛け算で決まります。
売上 = セッション数 × 単価
ここでいうセッションとは、トレーナーがお客さんに1対1でつく1回の指導のことです。1回60分が標準的な形式です。
そして、ここに物理的な上限があります。
トレーナー1人が1日に指導できるのは、どんなに詰め込んでも8回です。60分×8回で8時間。休憩も準備も入れれば、実質的にはこれが限界です。
月25日営業するとして、理論上の上限は8回×25日=200回。
ただし、この200枠がすべて埋まることはありません。平日の昼間は空きますし、お客さんの都合でキャンセルも出ます。稼働率を70%として計算します。
月間セッション数:8回 × 25日 × 70% = 140回
単価は8,000円とします。パーソナルジムの料金は「月8回コースで6万円台」といった形式が多く、1回あたりに割り戻すとこの水準になります。
月商:140回 × 8,000円 = 112万円
次に、出ていくお金を並べる
この112万円から、毎月出ていくものを引きます。
| 費目 | 月額 | 内訳 |
|---|---|---|
| 家賃 | 25万円 | 15〜20坪・駅近を想定 |
| トレーナー人件費 | 35万円 | 正社員1名分 |
| ロイヤリティ | 11万円 | 売上の10%と仮定 |
| その他 | 15万円 | 水道光熱費・通信費・広告費・備品など |
| 合計 | 86万円 |
コーチムによる試算。家賃・人件費は地域と条件により大きく変動します
月の利益:112万円 − 86万円 = 26万円
初期投資が500万円なので、
500万円 ÷ 26万円 = 約19か月=およそ1年半
1年半で元が取れる計算になります。
ここで、ひとつ条件を外してみる
先ほどの計算には、ある前提が入っていました。
トレーナーを1人、雇っているという前提です。人件費35万円がそれです。
では、オーナー自身がトレーナーとして指導したらどうなるか。
人件費35万円が消えます。
月の利益:112万円 − 51万円 = 61万円
500万円 ÷ 61万円 = 約8か月
1年半かかっていたのが、8か月になりました。半分以下です。
ネット上で「パーソナルジムは半年から1年で投資回収できる」という記述を見かけますが、その多くはこちらの計算です。オーナーが現場に立つことが前提になっています。
この差は、何を意味するか
1年半と8か月の差は、月35万円の人件費です。
言い換えれば、オーナーが自分で指導することで、月35万円ぶんの投資回収を早めているということです。
これは投資でしょうか。それとも仕事でしょうか。
朝から晩まで店に立ち、1日8人を指導し、月25日働く。それによって回収が11か月早まる。この11か月は、自分の労働で買ったものです。
もちろん、それが悪いという話ではありません。トレーナーとして独立したい人にとっては、むしろ望ましい形です。自分の指導を自分の店で売り、その利益をまるごと受け取れるのですから。
ただし、資金の投下先を探している人にとっては、話が違います。その人はジムで働きたいわけではありません。
では、トレーナーを増やせばいいのか
ここで自然に浮かぶのが、この疑問です。
トレーナーを2人にすれば、セッション数も倍になるはずです。計算してみます。
| トレーナー1名 | トレーナー2名 | |
|---|---|---|
| 月間セッション | 140回 | 280回 |
| 月商 | 112万円 | 224万円 |
| 人件費 | 35万円 | 70万円 |
| 家賃・その他 | 51万円 | 73万円 |
| 月の利益 | 26万円 | 81万円 |
コーチムによる試算。トレーナー2名の場合はロイヤリティ22万円、家賃・その他51万円として計算
利益は26万円から81万円へ、3倍に増えました。一見すると、増やせば増やすほど儲かるように見えます。
ただし、ここには見えていない制約があります。
トレーナーが2人になれば、施設も2人分必要です。マシンが1台しかなければ、2人同時に指導できません。トレーニングスペースが狭ければ、2組が同時に入れません。
つまり、トレーナーを増やすには、店も広げる必要があります。広げれば家賃が上がり、マシンの追加投資も発生します。上の計算で家賃・その他を51万円から73万円に増やしたのは、この分です。
そして何より、2人分の枠を埋めるだけの集客ができるかどうかという問題が残ります。月280回のセッションを埋めるには、それだけのお客さんが必要です。
パーソナルジムの売上は、トレーナーの人数と施設の広さの両方に縛られています。片方だけ増やしても、売上は増えません。
チョコザップ経営の損益を見る|初期費用2,800万円の場合
本部が公表しているジム経営の数字
チョコザップについては、こちらで試算する必要がありません。本部が収支のシミュレーションを公表しているからです。
フランチャイズ比較メディアに掲載されている内容は、次のとおりです。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 開業2年目の売上 | 約2,112万円(月あたり約176万円) |
| 営業利益 | 約708万円(月あたり約59万円) |
| 投資回収 | 約4年 |
| ロイヤリティ | 売上の15%/月(最低保証16万5,000円) |
| 自己資金の目安 | 700万円以上 |
| 開業準備費 | 220万円(研修費込み) |
| 契約期間 | 7年 |
出典:フランチャイズWEBリポート掲載内容(2026年8月時点)。同社は直営店実績にもとづくシミュレーションであり、収益を保証するものではないと注記しています
ここで注意が必要なのが、「自己資金700万円」と「初期投資額」は別物だという点です。
自己資金とは、自分で用意する現金のことです。残りは融資で調達することが想定されています。実際の初期投資額は、これより大きくなります。
営業利益708万円で約4年かけて回収するということは、初期投資は2,800万円前後という計算になります(708万円×4年=2,832万円)。自己資金700万円との差である2,100万円ほどは、融資でまかなう前提です。
売上の構造が、まったく違う
チョコザップの月商176万円は、パーソナルジムの112万円より6割ほど多いだけです。売上規模としては、そこまで大きな差ではありません。
違うのは、その売上の作られ方です。
チョコザップの月会費は2,980円(税別)。単純計算で、月商176万円を達成するには約590人の会員が必要です。この590人が何に対して払っているのかは、チョコザップの口コミ・評判で店舗ごとの設備差を含めて整理しています。
ここで、パーソナルジムとの決定的な違いが出ます。
590人の会員がいても、店に立つ人は増えません。
チョコザップは無人運営です。本部の説明によれば、AI搭載カメラによる監視とコールセンターの24時間サポートで運営され、加盟オーナーやスタッフが店舗に常駐する必要はないとされています。清掃の一部は「フレンドリー会員制度」として会員が担う仕組みもあります。
パーソナルジムなら、お客さんが増えればトレーナーを増やすしかありません。売上と人件費が連動しています。
チョコザップは連動しません。会員が400人でも600人でも、店にいる人の数はゼロのままです。
会員が増えたら、どうなるか
この違いは、会員が増えたときにはっきり現れます。
仮に会員が590人から700人に増えたとします。
売上は月176万円から約209万円へ、33万円増えます。
増える費用は何か。ロイヤリティが売上の15%なので、5万円ほど増えます。電気代も多少は増えるでしょう。しかし人件費は増えません。スタッフがいないからです。
つまり、増えた33万円のうち、25万円以上がそのまま利益になります。
パーソナルジムで売上を33万円増やそうとすれば、セッションを月41回増やす必要があります。トレーナー1人の枠が埋まっていれば、2人目を雇うことになります。人件費35万円がかかるので、利益はほとんど残りません。
2つのジム経営を並べると、何が見えるか

回収の速さと、その後の伸び
ここまでの計算を整理します。
| パーソナルジム | チョコザップ | |
|---|---|---|
| 初期投資 | 約500万円 | 約2,800万円 |
| 月商 | 112万円 | 176万円 |
| 月の利益 | 26万円 | 59万円 |
| 元が取れるまで | 約1年半 | 約4年 |
| 売上の上限を決めるもの | トレーナーの人数 | 店舗の広さと商圏 |
| 売上が増えたときの人件費 | 連動して増える | 増えない |
| オーナーが現場に立つ必要 | なくてもよいが、立てば回収が早い | なし |
パーソナルジムはコーチムによる試算、チョコザップは本部公表のシミュレーションにもとづく
回収の速さでは、パーソナルジムが勝っています。1年半と4年では、2倍以上の差があります。
しかし、回収したあとを考えると、見え方が変わります。
パーソナルジムは、回収後も月26万円のままです。増やすにはトレーナーを雇い、店を広げ、集客を増やす必要があります。そのたびに、また投資と手間が発生します。
チョコザップは、会員が増えれば増えた分がほぼそのまま利益になります。そして、そのために新しく雇う人はいません。
ジム経営で「早く回収できる」ことの意味

もうひとつ、思い出しておくべきことがあります。
パーソナルジムの1年半という数字は、トレーナーを1人雇った場合のものでした。オーナー自身が指導すれば8か月に縮まります。
つまり、パーソナルジムには2つの顔があります。
| オーナーが指導する | トレーナーを雇う | |
|---|---|---|
| 月の利益 | 61万円 | 26万円 |
| 元が取れるまで | 約8か月 | 約1年半 |
| オーナーの働き方 | 週6日・1日8セッション | 働かなくてよい |
コーチムによる試算
8か月で回収できるのは、オーナーが現場に立ち続けた場合です。
この8か月と1年半の差、10か月ぶんの回収スピードは、オーナーの労働で買っています。月35万円の人件費を自分で肩代わりしているからです。
そう考えると、「パーソナルジムは半年で回収できる」という説明は、正確には「あなたが働けば半年で回収できる」という意味だということになります。
チョコザップの4年をどう見るか
一方、チョコザップの約4年という数字は、オーナーが一切現場に立たない前提です。
本部の説明では、加盟オーナーやスタッフが店舗に常駐する必要はないとされています。オーナーがやることは、本部のスーパーバイザーとの月1回程度の面談と、経営判断です。
4年は長い。ただし、その4年間、オーナーはジムで働いていません。
この点を踏まえると、2つの選択肢はこう整理できます。
パーソナルジムは、500万円と自分の時間を投じて、8か月で回収する。
チョコザップは、2,800万円を投じて、時間は投じずに、4年で回収する。
どちらが良いかは、その人が何を持っていて、何を投じたいかによって変わります。
時間はあるが資金がない人にとって、パーソナルジムは合理的です。逆に、資金はあるが本業があって時間を割けない人にとっては、チョコザップのほうが噛み合います。
前提が変わると、ジム経営の答えはどう変わるか
ここまでの計算には、いくつも前提を置きました。単価8,000円、稼働率70%、家賃25万円。これらが変われば、結論も変わります。
実際の開業では、この前提が自分の条件と一致することはまずありません。そこで、どの数字がどれだけ効くのかを見ておきます。
稼働率が変わった場合

パーソナルジムでもっとも大きく効くのが、この稼働率です。トレーナーの枠がどれだけ埋まるかを示す数字です。
| 稼働率 | 月間セッション | 月商 | 月の利益 | 元が取れるまで |
|---|---|---|---|---|
| 90% | 180回 | 144万円 | 55万円 | 約9か月 |
| 70%(本文の前提) | 140回 | 112万円 | 26万円 | 約1年半 |
| 50% | 100回 | 80万円 | −1万円 | 回収できない |
コーチムによる試算。トレーナー1名雇用・ロイヤリティ売上10%として計算
稼働率が50%まで落ちると、赤字になります。
これは重要な点です。稼働率が7割から5割に落ちるというのは、決して極端な想定ではありません。開業直後や、近隣に競合ができたときには、十分に起こりうる水準です。
そして注目すべきは、稼働率が20ポイント下がっただけで、利益が26万円からマイナスに転落していることです。
理由は、家賃と人件費が固定費だからです。お客さんが半分になっても、家賃は半分になりません。トレーナーの給料も減りません。売上だけが減って、費用はそのまま残ります。
パーソナルジム経営の損益分岐点は何セッションか
では、最低何回のセッションがあれば赤字にならないのか。
費用のうち、売上に連動しないもの(家賃25万円+人件費35万円+その他15万円=75万円)を、単価からロイヤリティを引いた金額で割ります。
単価8,000円からロイヤリティ10%を引くと7,200円。
75万円 ÷ 7,200円 = 約104回
月104セッション。1日あたり約4.2回です。これを下回ると赤字になります。
トレーナー1人の上限が1日8回ですから、枠の半分強を埋めなければ、店は回りません。
単価が変わった場合
単価も結果を左右します。
| 単価 | 月商(140回) | 月の利益 | 元が取れるまで |
|---|---|---|---|
| 10,000円 | 140万円 | 51万円 | 約10か月 |
| 8,000円(本文の前提) | 112万円 | 26万円 | 約1年半 |
| 6,000円 | 84万円 | 1万円 | 実質不可能 |
コーチムによる試算。稼働率70%・トレーナー1名雇用として計算
単価が2,000円下がるだけで、利益は26万円から1万円になります。4分の1でも3分の1でもなく、ほぼゼロです。
これも固定費の構造によるものです。売上が28万円減っても、家賃も人件費も変わりません。減った売上が、そのまま利益から引かれます。
つまり、パーソナルジムの損益は、単価と稼働率のわずかな変動で簡単に赤字に振れます。この点は、回収期間の数字だけを見ていると見落とします。
チョコザップの場合はどうか
会員制のジムでも、同じことが起きます。会員数が減れば売上が減り、家賃は変わりません。
ただし、構造には違いがあります。人件費が固定費に入っていないことです。
パーソナルジムの固定費75万円のうち、35万円は人件費でした。全体の半分近くを、人が占めています。
無人運営のジムでは、この部分がありません。家賃と設備費が中心になります。会員が減ったときに削れる費用は少ないものの、そもそも人を抱えていないぶん、固定費の総額を抑えられる構造です。
もっとも、これは裏返せば「人を増やして売上を伸ばす」という手が使えないということでもあります。会員数が伸び悩んだとき、パーソナルジムなら営業を強化する人員を投入できますが、無人型ではその発想自体がありません。
1番目の記事とつなげて考える
前回の記事で、ジムがフランチャイズ比較メディアにおいて「無人経営できるフランチャイズ」に分類され、コインランドリーや買取専門店と並べられていることを書きました。
その棚のなかで、ジムの数字はどう見えるか。
| 必要な広さ | 初期投資の目安 | 売上の性質 | |
|---|---|---|---|
| 買取専門店 | 2〜5坪 | 自己資金300万円から | 都度の売買差益 |
| パーソナルジム | 15〜20坪 | 約500万円 | コース契約 |
| チョコザップ | 中規模 | 自己資金700万円以上 | 月額課金 |
出典:各フランチャイズ本部および比較メディアの公表情報よりコーチムが整理(2026年8月時点)
買取店は、5坪・自己資金300万円から始められます。ジムと比べれば圧倒的に軽い。
ただし、買取店の売上は毎月ゼロから作ります。今月100万円を売り上げても、来月また同じだけ買い取って売らなければ、売上は立ちません。
ジムは違います。会員が500人いれば、来月も500人分の会費が入ります。何もしなくても、ではありませんが、少なくともゼロからのスタートではありません。
この差が、初期投資の差として表れています。積み上がる売上を買うには、積み上がらない売上を買うより高くつく。
そう考えると、投資額の重さは欠点ではなく、売上の性質に対する対価と見ることもできます。
ジム経営の計算に入っていないもの
ここまでの数字は、うまくいった場合のものです。入っていない要素を挙げておきます。
ジム開業後、立ち上がりにかかる期間
どちらの計算も、会員やお客さんが想定どおり集まった状態を前提にしています。
しかし開業直後は、会員はゼロから始まります。パーソナルジムなら、月140セッションが埋まるまでに数か月かかるのが普通です。チョコザップの本部シミュレーションが「開業2年目の売上」を示しているのも、1年目は立ち上げ期間だという前提があるからでしょう。
この期間、家賃も人件費もロイヤリティも発生します。売上が立たないまま出ていくお金を、運転資金として用意しておく必要があります。
退会と、その補充
会員制のビジネスは、放っておけば会員が減ります。
チョコザップの場合、会員数を維持するだけでも、毎月一定数の新規入会が必要です。パーソナルジムも同じで、コースを終えたお客さんは卒業していきます。
つまり、集客は開業時だけの仕事ではなく、営業を続けるかぎり続く仕事です。広告費が毎月かかるのはこのためです。
なお、会員が続かない理由については、通う側の視点からなぜ多くの人がダイエットに失敗するのかで整理しています。退会率は収益に直結するため、開業する立場からも無関係ではありません。
契約期間と、その後
チョコザップの契約期間は7年です。回収に4年かかるとすれば、利益が積み上がるのは残りの3年間ということになります。
そして契約満了時には、設備の入れ替えが加盟者負担で発生します。再契約するなら、そこでまた投資が必要です。
この点は、回収期間だけを見ていると見落とします。4年で回収して終わりではなく、7年というサイクルのなかで何が起きるかを見る必要があります。
開業資金の金利と税金
初期投資を融資でまかなう場合、返済には金利が乗ります。上の計算に金利は含まれていません。
また、営業利益は税引前の数字です。法人なら法人税、個人事業主なら所得税がかかります。手元に残る金額は、計算より少なくなります。
まとめ|ジム経営は儲かるのか
ジム経営は儲かるのか。ここまでの計算を整理します。
パーソナルジムは、約500万円の投資を約1年半で回収できます。売上はトレーナー1人あたり月112万円が上限で、増やすには人を雇い、店を広げる必要があります。
チョコザップは、約2,800万円の投資を約4年で回収します。売上は会員数で決まり、会員が増えても店に立つ人は増えません。
回収の速さではパーソナルジムが勝ちますが、その1年半という数字はトレーナーを雇った場合のものです。オーナー自身が指導すれば8か月に縮まります。この10か月の差は、オーナーの労働で買ったものです。
つまり、こう言えます。
開業資金の安いジムは、あなたの時間も一緒に投資することで成立している。初期費用の高いジムは、その時間を買わなくていい代わりに、お金を多く投じている。
どちらが優れているという話ではありません。投じられるものが、人によって違うだけです。
この記事の限界
パーソナルジムの数字は試算です。初期投資500万円は二次情報にもとづく水準であり、公式に発表されたものではありません。単価8,000円、稼働率70%、家賃25万円、人件費35万円といった前提も、コーチムが置いたものです。立地とブランドによって、いずれも大きく変わります。
チョコザップの数字は本部公表のシミュレーションです。フランチャイズWEBリポートに掲載されている内容にもとづきます。本部自身が「直営店実績を基にしたシミュレーションであり、開業後の収益を保証するものではありません」と注記しています。
初期投資2,800万円は逆算値です。営業利益708万円と回収約4年から計算したもので、本部が公表した数字ではありません。
他の業態は扱っていません。ヨガスタジオ、女性専用の小規模ジム、エニタイムフィットネスのような大型の24時間ジムは、それぞれ別の収益構造を持ちます。
実際のジム経営の判断には、本部からの収支シミュレーションが必要です。この記事の数字は、話を聞きに行く前の見取り図として使ってください。
データの引用について
本記事の試算および調査結果は、出典を明記いただければ引用いただけます。
パーソナルジムの投資回収は、トレーナーを1名雇用した場合で約1年半、オーナー自身が指導する場合で約8か月と試算される(出典:コーチム調べ・2026年8月)
チョコザップのフランチャイズは、本部公表のシミュレーションで開業2年目の売上約2,112万円・営業利益約708万円・投資回収約4年とされている(出典:フランチャイズWEBリポート/コーチム調べ)
パーソナルジムの売上上限はトレーナーの人数に、無人型ジムの売上上限は会員数に規定される。前者は売上と人件費が連動するが、後者は連動しない(出典:コーチム調べ・2026年8月)
試算の前提条件については本文をご確認ください。個別の加盟条件は、各本部への直接の問い合わせでご確認いただく必要があります。
編集後記
ジム経営の記事を書きながら、何度か計算をやり直しました。
最初は「パーソナルジム経営は7か月で回収できる」という数字を置いていました。ネット上でよく見る水準です。ところが費用を並べていくと、どうしてもその数字になりません。
理由はすぐに分かりました。トレーナーの人件費を入れていなかったのです。
オーナーが自分で指導する前提なら、7か月でも8か月でも計算は合います。しかしそれは、投資の話ではなく仕事の話です。500万円を用意して、自分の職場を作ったということになります。
どちらが良いという話ではありません。ただ、同じ「回収期間」という言葉が、前提によって倍以上変わるということは、知っておいて損はないと思います。
数字を見るときは、その数字が誰の働き方を前提にしているのかを確かめる。それだけで、見えるものがかなり変わります。
コーチム編集長 木村涼
フィットネスジム4社で挫折した後、自己流のダイエットで3ヶ月10kg減。その後パーソナルトレーニングの指導を受けさらに5kg減を達成。NSCA-CPT取得。特定のジムと金銭的な利害関係を持たない立場から、比較記事を書いています。
掲載店の運営者さまへ
コーチムの掲載はすべて無料です。掲載のご希望、掲載情報の訂正・追記、掲載の削除はこちらのご案内をご覧ください。掲載内容に事実と異なる点がありましたら、お気軽にお知らせください。
