ジム利用者が見ているのは、資格ではなかった|クチコミ3,997件で分かった、選ばれるトレーナーの共通点【2026年】

パーソナルトレーナーの養成スクールは、半年で70〜80万円ほどかかります。

週1回、4時間。半年通って、NSCA-CPTに合格する。プロフィールの一番上に、その資格名を書く。

そして、お客さんがクチコミを書いてくれます。

「丁寧に教えてくれました」

資格の話は、一行もありません。

これは1人の話ではありませんでした。パーソナルジム8ブランド823店舗のクチコミ3,997件を数えたところ、資格の名前を書いた人は21人。190人に1人でした。

目次

じゃあ、何なら書かれるのか

3,997件を分類しました。「10人が書いたら何人が触れるか」に直します。

書かれた内容 10人のうち 実際の人数
「丁寧だった」「優しかった」 7人 2,901人
担当トレーナーのこと 7人 2,784人
「続けられた」「楽しかった」 5人 1,893人
痩せた・体が変わった 4人 1,796人
説明が分かりやすい 3人 1,089人
自分に合わせてくれた 3人 1,013人
安心して任せられた 2人 893人
知識が豊富だった 2人 698人
料金のこと 1人 422人
大会・コンテストの実績 0人 71人
資格の名前 0人 21人

1位は「丁寧だった」で2,901人。10人に7人です。

資格は、10人集めても0人。190人集めて、ようやく1人

ジム利用者3,997人が書いたクチコミのうち、「丁寧だった」は2,901人(10人に7人)、資格の名前は21人(190人に1人)。出典:コーチム調べ(2026年8月)
3,997人が書いたクチコミのうち、資格の名前に触れたのは21人だった(コーチム調べ・2026年8月)

人柄のほうが、138倍書かれています。

プロフィールの一番上に書くものが、一番下だった

並べ直すと、こうなります。

トレーナーが掲げるもの ジム利用者が書くもの
場所 プロフィール欄 クチコミ欄
中身 資格名・大会実績・経歴 丁寧さ・分かりやすさ・続けられたこと
人数 21人 2,901人

掲げている場所と、評価される場所が、まったく違います。

ここまで読むと、こう思えてきます。

「じゃあ、あの半年は何だったのか」

78万円と、土曜の4時間を半年。700ページのテキスト。それが190人に1人にしか届いていない。

本当にそうなのか、もう一段調べました。

本当に、学んだことは無駄だったのか

スクールで何を学ぶのかを、確認します。

NSCA-CPTの試験に出るのは、この4つです。

  1. お客さんとの面談と評価
  2. メニューの組み方
  3. エクササイズのやり方(解剖学・正しいフォーム・補助の方法)
  4. 安全性、緊急時の手順

筋肉の名前を覚える試験ではありません。話をどう聞くか。メニューをどう組むか。どうやってケガをさせないか。

つまり、ほとんどが接客の技術です。

では、この4つはクチコミに出てこないのか。

数えたら、4つとも書かれていた

学んだこと クチコミでの書かれ方 書いた人数
エクササイズのやり方 「フォームを見てくれる」 1,082人
安全性・緊急時の手順 「無理がなかった」「体調に合わせて」 1,025人
メニューの組み方 「メニューを組んでくれた」 790人
面談と評価 「目標を聞いてくれた」 311人
資格の名前 「NSCA」「有資格者」 21人
スクールで学ぶ4分野に触れた人数。エクササイズのやり方1,082人、安全性1,025人、メニューの組み方790人、面談311人。一方で資格の名前は21人。出典:コーチム調べ(2026年8月)
学んだ4つは全部クチコミにあった。なかったのは名前だけ(コーチム調べ・2026年8月)

全部、書かれていました。

「安全性、緊急時の手順」に触れた人は1,025人。実際の文面はこうです。

毎回トレーニング前に体調を確認してくださり、その日の状態に合わせて内容を調整してもらえるので安心です。

「面談と評価」は311人

自分がどのようになりたいのか丁寧にヒアリングをして頂き、無理なくステップアップしながらトレーニングを受けられています。

「メニューの組み方」は790人

目的に合わせてメニューを組んでくれるので、無理なく続けられる。

3つとも、スクールで学ぶ内容そのものです。

ただし、どれにも「資格」という言葉は出てきません。

学んだことは、届いていた

整理します。

  • 学んだことを書いた人:311人〜1,082人
  • 資格の名前を書いた人:21人

無駄ではありませんでした。届いていました。

ただし、こういう形で。

身につけたこと ジム利用者の言葉
安全管理 「体調を聞いてくれた」
面談と評価 「目標を聞いてくれた」
プログラム設計 「メニューを組んでくれた」
エクササイズ指導 「フォームを直してもらえた」

同じことを指しています。言い方が違うだけです。

落ちていたのは、資格の名前だけでした。

なぜ、名前だけが落ちるのか

書けないからです。

NSCA-CPTがどれくらい難しいのか、ジム利用者は知りません。合格率も、テキストの厚さも、勉強時間も知らない。だから「NSCA-CPTを持っていて良かった」とは書けません。書きようがない。

でも「体調を聞いてもらえた」は書けます。自分の身に起きたことだからです。

クチコミに出てくるかどうかは、すごいかどうかではありませんでした。その人に書けるかどうかです。

短いクチコミには、専門的な話が残らない

クチコミの長さ 件数 「丁寧だった」 「知識が豊富」
100字未満 585件 10人中6人 10人中0.6人
100〜299字 2,515件 10人中7人 10人中1.6人
300字以上 897件 10人中8人 10人中3人

短いクチコミでは、知識の話はほとんど出ません。10人に0.6人です。

一方「丁寧だった」は、短くても6人。長くても8人。あまり動きません。

削られるのは専門性。最後まで残るのは、接し方。

そしてクチコミの半分は、196字より短い。

料金の話も、10人に1人しか書かない

料金に触れたのは422人。10人に1人です。

金額は数字で書いてあります。誰でも読めます。それでも書かれない。

理由は2つ考えられます。どちらが主かは、このデータでは分かりません。

1つ目:比べる相手がいない。パーソナルジムを2社も3社も契約する人はほとんどいません。1社しか知らなければ、高いのか安いのか分からず、書けない。

2つ目:もう払っている。契約した時点で金額には納得しています。通い始めた後の感想では、話題になりません。

選ばれていたのは、どんな人か

3,997件から見えたのは、これです。

選ばれていたのは、資格を持っている人ではありませんでした。

学んだことを、ジム利用者に伝わる形でやっていた人です。

体調を聞く。目標を聞く。メニューを組む。フォームを直す。全部、スクールで習うことです。それを実際にやった人が、「丁寧だった」と書かれていました。

養成スクールの多くが、資格取得だけでなく就職支援と、集客・接客の指導を掲げています。この構造と一致します。学ぶだけでは足りず、使えるかどうかが問われる。

最後に、資格そのものの位置づけです。

資格は、学んだことの証明です。ただし、それを証明する相手はジム利用者ではありません。

就職先のジムには、資格が要ります。スクールの修了にも要ります。自分が何を学んだかの整理にも要ります。

けれどジム利用者は、資格を判定できません。判定できるのは、目の前で何をしてもらえたかだけです。

集めたものと、この記事の限界

ブランド 店舗数 集めたクチコミ
かたぎり塾 320 1,518
BEYOND 177 885
ライザップ 103 515
AppleGYM 60 300
THE PERSONAL GYM 57 275
UNDEUX SUPERBODY 50 245
Dr.トレーニング 36 169
ビーコンセプト 20 90
合計 823 3,997

本文の長さは平均229字、真ん中が196字。資格の判定には、次の言葉を使いました。NSCA/NESTA/JATI/NASM/CPT/健康運動指導士/理学療法士/管理栄養士/柔道整復/鍼灸/国家資格/有資格/資格を持/資格保有/資格をお持ち。「認定」「プロ」のように他の語に紛れやすいものは除いています。

この記事の限界

  • 全部は集められていません。この8ブランドに投稿されたクチコミは、全部で55,194件あります。本文を取れたのは3,997件。14件に1件です
  • 良い評価に偏っています。どのクチコミが代表として表示されるかはGoogle側の仕組みによります。不満の声は少なく出ます
  • 言葉の一致で数えています。文脈は見ていません。「知識がなかった」という悪い意味の文も、知識への言及として数えられます
  • 学んだこととの対応は、この記事の解釈です。「体調を聞いてくれた」と書いた人が、資格で学んだ対応を受けたのかどうかは、クチコミからは分かりません
  • 書かれないことは、見られていないことではありません。資格を確認してから契約し、クチコミには書かなかった人は、ここには出てきません
  • 集客への効果は測っていません。資格の有無で客数がどう変わるかは、この集計では分かりません
  • 8ブランドだけです。個人経営のジムは入っていません。全国のパーソナルジムは2,368施設とされ、823店はその一部です

データの引用について

この記事の数値・表・図は、出典を明記のうえ自由にお使いいただけます。以下の文をそのままお使いいただけます。

パーソナルジム比較メディア「コーチム」が、パーソナルジム8ブランド823店舗のクチコミ3,997件を分類したところ、トレーナーの資格名に触れた記述は21件(190人に1人)にとどまる一方、丁寧さ・人柄に触れた記述は2,901件(10人に7人)にのぼりました。ただし資格試験の出題分野にあたる内容は、エクササイズ指導1,082件、安全・体調への配慮1,025件、メニュー設計790件、面談311件と、それぞれ別の言葉で現れていました。(出典:コーチム「ジム利用者が見ているのは、資格ではなかった」https://coaching-by-web.com/research/personal-gym-review-analysis-2026/)

数値の一部だけを引用される場合も、上記のアドレスを出典として明記してください。図はそのままご利用いただけます。

まとめ

823店・3,997件を数えて分かったことです。

  • 資格の名前を書いた人:21人(190人に1人)
  • 「丁寧だった」と書いた人:2,901人(10人に7人)
  • 学んだことに触れた人:311人〜1,082人

学んだことは、届いていました。名前だけが、届いていなかった。

選ばれていたのは、資格を持っている人ではありません。学んだことを、ジム利用者に伝わる形でやっていた人です。

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この記事を書いた人

コーチム編集長。複数の大手フィットネスジムで挫折後、自己流(通勤運動・自重トレ・AI食事管理)で3ヶ月10kg減量を達成。さらにパーソナルトレーニングの指導で追加5kg減を実現し、専門指導の価値を実感。NSCA-CPT取得。特定のジムと利害関係を持たず、「続けられるパーソナルジム選び」をテーマに中立的な立場で発信。

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